東京日帰り

地下鉄、地下鉄、新幹線で東京に出て、そこから中央線で三鷹へ。三鷹までは東京駅から30分ぐらいか。案外交通の便はよいのであるな。6月に不義理をしたので、その埋め合わせとして、今日は三鷹で寿司をおごることになった。駅で出迎えてもらい、住宅街をしばらく歩いて、地元では案外知られているらしい回転寿司の店へ。銚子から送られてくる新鮮なネタを使っているのだという。先に来て席を取ってくれていた家族ともども水槽の前のカウンター席に陣取り、一枚、二枚と食べていく。ただ、この店は(というか、最近の店はどこもそうなのかもしれないが)コンベアに乗って流れてくるものを取って食べるというよりは、メニューを見て注文して食べる方が一般的であるらしい。こちらもそうして、モンゴウイカやヒラメなど、柄入りの皿の品を注文。皿の高い山ができるというようなことにはならなかったが、最後にあら煮を食べたこともあり満腹。埋め合わせもできてよかった。

次なる目的地は、早稲田。中野から地下鉄東西線に乗り換えるとすぐだった。キャンパス内を少し歩いて演劇博物館へ。初めて来たが、印象深い外見なり。そこの2階でベケット展をやっている。しばらく前に土産をもらったこともあり、これを見ておくことにした次第。展示品はそれほど多いわけではないが、日本でのベケット作品の上演史を学ぶこともできたし(いくつかテレビで見ていた)、NY の Occupy の場で上演されたときの記録を見ることもできてよかった。昨年名古屋で開かれたトリエンナーレでの催し――行きそびれた――の紹介があったのも有益だった。履歴を見ると、トリニティを主席とか、やはりとてもよくできた人だったのであるな。ついでに、坪内逍遙松本幸四郎の展示も見て、おいとます。

大学を出たところで、もうひとつ展覧会を見ることができないかとも思ったが、ちょっと時間がなさそうだったのでこれを諦め、喫茶店でコーヒーをすすりながら仕事をすることにした。よい店はないかと探したが、キャンパスすぐ前の店は日曜で閉まっており、ほかはどこへ行ったらよいのかわからなかったので、結局駅の近くのドトールに入る。試験期間中なのだろうか、店内は学生さんたちでほぼ満席だった。なんとか座ることができたので、ここで1時間ほど仕事。それから地下鉄+JR で新宿へ。久しぶりに下車したが、昔とは大きく様変わりしていて、さっそく迷子になる。インフォメーションで聞いて、何とか新南口へ。(なんだ、かんたんではないか。)地上に出てみると、これが一昔前のSF映画に出てくる未来都市のセットかと思わせるような町並みで、驚いた。そこをおびただしい数の人間が動いている。外国人も多く、少々大げさだが、無国籍都市というような印象を受けた。こういうときは素直にお上りさんになるのがよいと考え、きょろきょろしながら人混みの中を歩く。サンマルクカフェがあったので、ここに入ってコーヒーを飲み、それから高島屋の中華料理店へ。お世話になっている先生の退職祝い件出版記念の会。少人数の集まりだったが、懐かしい話もいろいろできたし、初めてお会いした先生とも楽しく歓談できた。紹興酒も美味かった。よい会であった。

2次会へ行かれる皆さんと別れ、新宿で新幹線の予約を取り、品川に出て、土産を買い(またユーハイムかと言われる)、新幹線に乗ろうとしたら、夕方の豪雨のために列車が遅れているという。前の列車が20分遅れでホームに入ってくるところだったので、予約席はあきらめ、こちらの列車の自由席に飛び乗る。幸い空席があったので、座ることができ、何とか名古屋着。