帰国

前日よりも早く起きてチェックアウト。主催者側がホテル代をリファンドしてくれた。感謝。朝食をとり、そこで出会った友人と別れ、タクシーを待つ。T先生と二人で乗る予定だったが、結局、いくつかの学会で顔見知りとなった韓国の先生と、それからニューオーリーンズで教えているというアメリカの先生も加わり、4人で空港に向かう。韓国の先生は大変タフな先生で、世界のあちこちで開かれる学会に参加したり、国内・国外で学会を開催したりと、世界中を駆け回っているそうである。地上にいるよりも飛行機に乗っている方が落ち着くともおっしゃる。1日1時間半歩いて健康も維持しているそうである。もともとはイェイツの研究者で、韓国の英文系の大きな学会の長をされているとか。日本の英文学会と中国の学術組織と連携して、東アジアの研究者が集う国際学会を開催したいということである。

雨の中、タクシーは気持ちよく高速を飛ばしていくが、途中で運転手は高速を離れ、人気のない未舗装の細い道を走り始める。見た感じではあるが、治安も悪そうである。何かの間違いで、よからぬタクシーに乗ってしまったのではないかと心配した韓国の先生が電話付きのスマートフォン(たぶん)で今回の学会の主催者に電話をして、タクシーは間違いなく手配されたものであることを確認。そうこうするうちに、無事空港に到着。結局わからなかったが、脇道に逸れたのはおそらく国慶節の休暇初日で高速が混んでいたからであろう。

空港のカウンターでチェックイン。ここは英語でまったく問題なし。離陸時間の早いT先生は先に搭乗手続きに向かわれたようなので、空港の喫茶店でコーヒーを飲みながら仕事。思えばここも立派な空港である。大きなスクリーンには日本や韓国の自動車会社のプロモーション・ヴィデオが繰り返し流れている。会社によってプロモーションのスタイルが違うのが興味深い。おそらく企業の皆さんも、どのようなスタイルがこの国の消費者に強く訴えるのか、工夫を重ねているのであろう。

搭乗手続きをすませ、機上の人となる。隣の中国人の若いカップルは二人ともキンドル風の端末で何か読んでいる。こちらは睡眠補給を試みるが、うまくいかないので、窓の下に見える雲をぼんやり眺める。1時間半で上海着。長い休みの初日ということで、帰りの便は思うような時間帯のものを予約できなかった。かろうじて予約できたフライトは、浦東で6時間のトランジットを要するもの。しかたがないので、航空会社のカウンターが並ぶロビーのソファで、仕事がらみの本を読んだり、遅ればせながら『歩き方』巻末の中国語表現の練習をしてみたりする。昼時ではあったが、機内食も食べているので腹はすいていない。しかし、そのうちにどこかから実によい匂いが漂ってきて、無性に麺が食べたくなる。フロアにあるコンビニに入って、この空港で一番うまい麺を出す店を教えてくれと英語で聞くと、2階のレストランがベストだというので、そこへ行って、ラーメンを頼んだが、食べてみるとイマイチであった。やはり人の言うことを簡単に信じてはいけない。しかし、この店はなかなか居心地がよく、パソコン用の電源も備えられていて、時間をつぶすのには都合がよい。コンピュータを取り出してしばし仕事。

ようやくフライトの時間が近づいてきたので、搭乗手続きをして、自分の飛行機のゲートに移動。しばらくネットにつながらなかったのだが、ここでようやくつながったので、メールを読み、ドラゴンズの試合結果を見る(勝っている、よしよし)。しばらくすると、資材の遅れ?で飛行機が遅れている、まだ上海に到着すらしていないというアナウンスが流れる。名古屋までの最終便であるはずなので、あまり遅れると空港からの電車がなくなる、と周囲で日本人旅行客らが話しているが、やきもきしたあげく、予定の1時間ほどの遅れで搭乗開始。それからすぐに離陸して、2時間で名古屋着。列車にも間に合った。金山で地下鉄に乗り換えて、無事帰宅。ちょっと疲れましたな。