帰国

朝、タクシーを呼んでもらうことになっていたが、チェックアウトの後、ホテルの車でメラノ駅まで送ってもらうことになった(10ユーロ)。運転手のお兄さんは英語を話さないので、いささか滑稽な会話になったが、こちらが日本人で、東京を経て名古屋まで戻ることは伝わった模様。再びメラノからボルザーノ行きの列車に乗る。駅には学生風のヴォランティアらしき人がいて、親切にしてもらった。列車に乗ると、進行方向右手にチロル城が見える 。左手には一昨日行った Tschengls の麓の教会も見えたように思う。白いモニュメントも見えないかと思い、上の方の山のあたりを眺めてみたが、よくわからなかった。
ボルザーノにてインスブルック行き列車に乗り換え。またしても混んでいた。荷物を置くスペースがないので困っていたら、隣の席の客(アメリカ人?)が親切にも自分の荷物をどけてこちらのスーツケースを置かせてくれた。ずっと本を読んでいたが、学生さんだろうか? 良さそうな人だった。まもなく、インスブルック着。また駅内のスーパーマーケットに入り、フォッカチオとサラダを買って昼食とする。食後、土産用にチョコレートを物色。スープストックを買ってこいという指令もあったので、店員に聞くと、ベビーラーメンのようなものを指して、これだよと言う。真顔だったので、無知なのかとも思ったが、アジア人を馬鹿にしていたようにも思う。ここは比較的大きなスーパーマーケットなので、土地の人が1週間分の食料を買いに来るらしい。なるほど土地の人はこんな感じか。スーパーマーケットはどこの国でも面白い。
それからまたバスに乗って空港へ。バス停でも高校生らしき人の世話になった。土地の人なのだろうか? きれいな英語だった。バスの乗客も親切に英語で対応してくれた。インスブルック〜フランクフルトは国内線扱いらしく、チェックインの際に聞くと、45分前に搭乗手続きを済ませ(コンピュータでも可)、30分前に検査を通ればよいという。ゲートの前にある土産物屋で買い物をし、袋をもらうと、店員が環境問題についてひとくさり演説した。お前の国はどうしているのかと聞くので、名古屋のゴミの分別の話をしてさしあげる。飛行機は通路を挟んで2席ずつ。隣に座った男性は iPhone を吸盤様のもので窓に固定して、大きなプロペラが回転する様を、また、雲や空や(高度が下がると)地上の様子を録画していた。イヤホンで音声も聞き、iPhone はポータブルのバッテリーにも繋いでいた。最初危ない人かと思ったが、そんなことはなかった。フライト・アテンダントも立ち止まって見ていたが、そのうちに立ち去った。

フランクフルトでのトランジットは1時間しかなかったので、空港内を大急ぎで歩く。ゲートにたどり着くと、もうボーディングが始まっていた。今度は通路側の席で、となりはアメリカ人かドイツ人のビジネスマン風の人。やや太め。行きの飛行機では余裕がなく、映画は1本も見なかったが、帰りは少し見ようと思ってラインナップを眺めると、多くは日本語吹き替え版で、英語字幕と表示されているものにはなぜか中国語字幕がついていたりする。仕方がないので、日本未公開のインド映画 Mary Kom と、The Rewrite の2本のみを見る。Mary Kom は世界チャンピオンになったインドの女性ボクサーの話。実話に基づくというが、能力ある女性の夢物語的なところもあるように感じた。インドでこうしたフェミニスト的映画が作られていることは知らなかった。The Rewrite は、落ちぶれたハリウッドの脚本家がニューヨークのビンガムトンにある大学で脚本の書き方を教えるという物語。ヒュー・グラントの個性を生かしたコメディータッチの映画で、なかなか笑える。あとは眠るか、音楽を聴くかしていたが、少々仕事も。そうこうするうちに羽田着。帰りの方が飛行時間が短くて楽。荷物をピックアップし、再びチェックインしてから、なぜか空腹を感じたので、ラーメンを食べ、それからゲートへ移動。まもなく搭乗。すぐに名古屋着。また荷物をピックアップし、名鉄、地下鉄を乗り継いで、帰宅。しばらくすると疲れが出るのだろう。(写真はチロル城。)