顔を与える

6限、今日は Henry James の “The Real Thing” と “The Beast in the Jungle”。ジェイムズの英語は読みにくい場合もあるが、“The Beast in the Jungle” の方はさすがという文章である。久しぶりに読み直したが、たまにはこうした英文も読むべきだと思った。この作品、近年はセクシュアリティを切り口にした読解が隆盛であるように思うが、ホーソーンの短編に見られる moral に類似するものを見ることもできるように感じる。あるのかないのかわからぬものに形(イメージ)を与え、それをあたかもあるものであるかのように扱う点からは、(この短編を題材に論じるものだったか記憶が確かでないが)ジェイムズ作品を prosopopeia という修辞に関連づけて論じた研究発表——80年代だったか?——のことを思い出した。Albee の Who’s Afraid of Virginia Woolf とか、Shepard の Buried Child といった演劇作品のことも思い出すが、的外れか?