馬小屋の乙女

5限、今日は Kazushige Abe, “The Maiden in the Manger”。日本語の語りや会話の語感が英訳では現れないような気がするが、翻訳の限界か。授業では、タイトルの意味について(英語の句、マリアへの言及について検討)、快楽の充足の妨害もしくは遅延のテーマについて、収集のテーマについて、80年代のバブルについてなどを話す。「しびれふぐ」の話など、受講生諸君は拒否反応を示すかと心配したが、それほどでもなくてよかった。

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夜、訃報に続いて耳にした「老後がなかった」という言葉について考える。一生を終わった時点から眺める視点が加齢とともに自然なものになっていく。こうして人がいなくなっていくのだなという感慨も次第に実感を増していく。