平和公園へ

夕方久しぶりに平和公園へ。山手通りから右に折れて、なだらかな坂を上り、それから下って動物園前に出る。大通りをしばらく行くと新池口。天気は下り坂であるらしく、曇り少々湿気。暑くもなく、寒くもなく、歩くにはちょうどよい。桜の大半は花を落とし、葉桜の時を迎えようとしているが、街路のハナミズキは蕾かあるいは小さな花をつけている。新池口から坂を上る。今日は歩いている人は少ない。犬を散歩させている人も見かけない。しかしときおり、ランニング中の男の人に追い越される。まもなく大すすきの前へ。原発のメカニズムは報道で少しわかってきたが、では原爆のメカニズムはとか、そもそもどうして日本は原発を導入することになったのかとか、企業が自前の発電機を導入すれば当座の電力危機は回避できるのかもしれないが、燃料確保の問題は電力会社から電力を買う場合と同じなのかといったことを話しながら、さらに歩いて車道に出る。歩道を歩くと、背後から自転車に乗った小学生らしい男の子と女の子が猛スピードで追い越していく。どうやら二人で競争をしているらしい。女の子のほうが速い。道の反対側では、バーベキューでもしていたのか、家族連れがチェアを担いで車に向かっていく。信号待ちをしている車の助手席からは、女の人に抱かれた犬が窓から半分身を乗り出している。以前に経験のないことなのか、いささか不安げな面持ちでこちらを眺めている。猫が洞通りを下り、紗羅餐で蕎麦を食い、本山で桜餅を買い、それから、だらだら坂をのぼって大きな交差点まで来ると、あたりはもう暗く、自動販売機がこうこうと耀いている。