モダンにしてアンチモダン

モダンにしてアンチモダン ――T.S.エリオットの肖像

モダンにしてアンチモダン ――T.S.エリオットの肖像

日本T・S・エリオット協会設立20年企画として構想された論集。「エリオットの全貌に迫った論文集」にして「一般読者にむけた書物」(「まえがき」)であるとともに、「「21世紀に読むT・S・エリオット」の可能性を探る」(あとがき)本でもあるという。エリオットが活躍した20世紀初頭から100年が経とうとするいま、『四つの四重奏』や『荒地』の新訳も出たばかりであり、彼の再評価にはちょうどよいタイミングで出た論集と言えるかもしれない。全体は3部構成となっていて、第I部は主要作品を、第II部、第III部は「エリオットとパウンド」、「エリオットとインド思想」など、種々の関連トピックからエリオットを論じている。まだ半分ほどを読んだだけだが、エリオットについての基本を押さえつつ、新しい研究成果も紹介されていて、なかなか勉強になる。論考の数が多いので、編集が大変であったに違いない。

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記憶の宿る場所―エズラ・パウンドと20世紀の詩

記憶の宿る場所―エズラ・パウンドと20世紀の詩

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