パウンド協会大会

朝、ホテルで先生と落ち合い、名駅から新幹線に乗って静岡へ。名駅でばったり知り合いの先生にお会いする。学会・催しの多い日なのであろう。それとも何かの会議か。乗車直前だったので、話しできず。台風が近づいているということで、静岡に近づくにつれて、雨脚が強くなっていく。台風の進路と我々の進路が静岡で交差するというのだろうか。静岡駅で、同じ会議に出る先生お二人に遭遇。講師の先生の出番は3時過ぎなので、駅でひとまず別れる。県立美術館で時間をつぶしていただく予定だったが、静岡駅からは遠いという。後で聞いたら、駅周辺を歩き、近場の美術館へも行かれたとのこと。

こちらは3人でタクシーに乗り、大学へ。最初はバスを考えていたが、バス停からキャンパス内の会場への道がわかりにくいので、タクシーが正解だった。日本エズラ・パウンド協会大会。E.P. の誕生日前後に開催されることになっているのだが、今年は当日。大会開始前にはいつもの理事会。今年の4月に事務局を交代したので、前任者の役目である会計報告と予算案提案のみ。新会長と新事務局長が、懸案事項を要領よくさばいていく。続いて椅子の検分。理事会の部屋にあったものがよかろうということになる。それから大会開始(プログラムはここ)。発表2件をお聞きし、E.P. の詩の翻訳についてのトーク(ワークショップ)を拝聴し、しばし休憩の後、お連れした先生によるパフォーマンス。ヴェニスで同じものを見ているのだが、今回は予習もしっかりしてあるので内容もよりよくわかり、また、近くで見たので、声の抑揚や、アクセントの工夫、細かな手の震えといったものもよく見える。なかなかすごい。有名な詩の朗読も含まれており、昨日も思ったが、なるほどこの詩はこう読むのか、といったことを思う。E.P. や H.D. についての学術論文を書いたり、学会発表をするとともに、詩人の自伝を劇化したパフォーマンスを演じておられるところがこの先生の活動の興味深いところ。パフォーマンス、会員の皆さんにも好評であった模様。

総会の後、再びバスに乗って駅前のホテルへ。バイキング形式の懇親会。ゲストのお二人も参加。ワークショップの詩の解釈について、高名な先生と話したり(その先生とは意見が一致したのだが、E.P. の娘さんによるイタリア語訳、別の訳者によるドイツ語訳は我々と違う)、研究者によるパフォーマンスに関連して、研究書をもとにした芝居の上演と比較する可能性についての話を聞いたり、ソウルから参加された韓国のエリオット研究者と話をしたりする。散会の後、会長に引っ張られて、駅ビル内の甘味屋へ。理事会で話したある事項についての打ち合わせ。ここで静岡風のぜんざいを食す。小さな餅5個の横に餡がどっさりと盛られていて、汁がない。甘味屋へ入ること自体、おそらく20年ぶりぐらいだろうが、汁のないぜんざいは初めて。かなりの満腹感を抱えながら、タクシーに乗って3次会へ。大学近く(らしい)の寿司屋さんにて、新鮮な魚の数々を焼酎とともに賞味。ゲストのお二人からも貴重な話を拝聴。少々ぜいたくをした後で、近くに取っていただいた宿まで歩く。宿での4次会は失礼して、就寝。長い1日だったが、台風はそれたらしい。充実した大会になったと思う。