雷鳴

昼前に県境の町へ。前夜から来ていた家族2組のうち1組はすでに出発していたが、もう1組はまだいたので、高校野球を見ながら、また、鰻をごちそうになりながら(美味なり)、あれこれ話す。就職の話などもあり。その家族が帰ってから、さらに少し話し、お隣にご挨拶の後、こちらも駅へ向かう。野球観戦中、少し遠くで雷鳴が聞こえたので、雨に降られるかと思ったが、こちらでは降らなかった。出がけに寺へ寄った家族から、大雨だというメールが来たので、どうやら少し離れたところで強い雨が降ったらしい。金山で地下鉄に乗り換え、大学へ。キャンパスの木陰の道を歩き始めると、稲妻が走り、しばらくしてキャンパス全体に低く響き渡るような雷鳴が聞こえた。建物が共鳴しているのだろうが、軽い地響きのようなものも感じられる。大粒の雨がぽつぽつ降ってきた。ちょうどアメリカ・ルネッサンスの作家に関する本を読んできたこともあり、自然と人間の連続性のことを思う。コーヒーを買おうとカフェに入ったら、ちょっとソローを思わせる顔立ちの人がいて、19世紀アメリカ文学の気分がさらに高まった。エマソン、ソローといった人たちの本は戸外で読みたいもの——留学時代にそう考えて、課題図書を屋外(寮の前)で読んだことを思い出した。